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イベント

グローバル化の中の日本語教育

アフリカ・アジア現代文化連続講座

グローバル化の中の日本語教育

近年、日本でも多くの留学生が学ぶようになってきた。殊、グローバル化が進む中、留学先は欧米のみならず、中東や南米、アジア諸国にも目が向けられるようになり、少し前と比較しても、留学先は多様化し、また、それまで留学生の排出先でしかなかったいわゆる「開発途上国」の多くは、留学生の受け入れ先ともなるなど、その様相は日々変化の過程の中にある。また、日本は深刻な少子化による進学者の減少に伴い、国策として留学生の受け入れに積極的である。しかし、留学生の受け入れに際し、大学の国際化(=英語教育化)が喫緊の課題として捉えられている潮流を見て取ることもでき、決して「日本語」での教育を提供することには、必ずしも積極的ではない。こうした流れの中、今年度のアフリカ・アジア連続セミナーでは、日本語による教育、また日本語教育はどのような位置づけにあるのかを考えていきたい。

第1回目 11月24日
「入門編 アフリカでの日本語教育 アフリカ人の日本語学習」

永本剛(株式会社ともにジャパン)
アフリカでの日本語教育やアフリカ人の日本語学習について国際交流基金の海外日本語教育機関調査の結果やアフリカからの(元)留学生との交流から感じたこと、今年春からのサイト運営経験から感じたことなどを中心にお話しします。研究者ではありませんので私の話をきっかけにアフリカx日本語に興味を持っていただければと思っています。

第2回目 12月15日
「東南アジアの日本語教育の現状と課題」
森田衛(国際交流基金(バンコック))
東南アジアは世界の中でも日本語学習者数が多い地域のひとつに数えられる。そして、学習者の中に中学生、高校生、大学生といった若い世代の割合が高いことが特徴として挙げられる。とりわけ中等教育段階では、各国の公教育の中に日本語をはじめとする第二外国語が位置付けられており、多くの若者が日々教室で授業を受けている。講演では各国の教育省や関係機関から要請を受けて国際交流基金が実施している日本語教育支援の具体例を紹介し、そこから見えてくる現状と課題について報告したい。

第3回目 1月19日
「私の原体験と外交官キャリアから見るセネガル共和国の日本語教育事業」

伊澤修大使(在セネガル日本大使)
私の学生時代の交換留学ボランティアの原体験、約30年にわたる外交官キャリアで得られた日本語学習希望者の特徴について話します。それを受けて、セネガルでのポップカルチャーを始めとした日本文化の受容状況と日本語教育の現状を紹介した上で、将来の学習者拡大に向けた展望と日本社会の受入れ課題について語ります。

第4回目 2月2日
「留学生あれこれ」

磯田郁子(大阪日本語教育センター)
日本語教師として働きだした35年ほど前から今までに出会った留学生たちから学んだことや気づき。コロナのパンデミックを経験して考えたことや日本語教育現場での対応など。これからの日本語教育についてなどをお話します。

第5回目 2月9日
「元留学生から見る日本語教育」

ウスビ・サコ+夏世明(中国からの元留学生)+プープーマウン(ミャンマーの元留学生)
最終回の第5回目は、実際に日本語を就職し、日本で活躍する元留学生3名をお招きします。なぜ日本を目指し、どのように日本語を学んだのか。これまで日本語教育を提供する方々の話が続きましたが、今回は学んだ当事者から日本語習得の過程をお話しいただき、これからの課題を抽出したいと思います。